なんぼなんでも 山陰で活動するJAZZ&BOSSA NOVAバンドのサイトにようこそ 本文へジャンプ


   戻る
  
 
9月のレコメンCD
遠い国/春犬バンド

 「ジャズのフォーマットを借りて自分達の音楽を創造する」というコンセプトで結成された春犬バンド。中村尚子(p)を中心に、フロントの山本ヤマ(tp)が紡ぎ出す脳に皺のないトランペット・プレイが聴き物だ。日本人トランペッターの多くがバップを志向する中で、山本ヤマは独自の世界を歩んでいる。画家を志し、トランペッターに転向した異色の経歴の持ち主。そのせいか、まるで白いキャンバスに絵を描いていくようなアドリブ・プレイを展開する。こういう音楽を待ってる人は案外多いのではないか。ジャケットにクレジットされた「Autumn leaves」「Misty」などのスタンダード曲の名前を見て、聴く前から御馳走様と思っている人も多いのではないか。これはそんな人に是非聴いて頂きたいアルバムだ。極め付けは@「チャイム」。中村尚子のオリジナルで、何とも美しい曲である。かつノスタルジック。中村尚子と山本ヤマはいわゆるバップ・フレーズを一切使うことなく、湧き出る思いをそのまま楽器に移し替えているかのような印象を受ける。残念ながらバンドは解散してしまったようで、今となってはCDでしか聴けない。
The warm shade of memory/Michel Legrand

 ミッシェル・ルグランはピアニストと言うよりも「シェルブールの雨傘」などを作曲した映画音楽の作曲家として知られているかも知れない。しかし、古くは1950年代にマイルスと共演したアルバム「ルグラン・ジャズ」で聴かれるように、基本的にはジャズ系のミュージシャンである。このアルバムは、そんなルグランのジャズ演奏をピアノ・トリオの編成でじっくり堪能することができる。少々張り切って弾き過ぎの感もあるピアノだが、これが予想外のテクニシャン。曲も「Watch what happenes」「思い出の夏」「シェルブールの雨傘」「I will say goodbye」など名曲揃い。おまけにトゥーツ・シールマンスがゲスト出演とくれば、内容は保証されたようなもの。これ、凄くいいアルバムです。米ジャズマンのオリジナルとは一味違う小粋なコード進行と旋律の曲は、好きな人はハマる筈。