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Infinite love/Gil Goldstein&Romero Lubambo
ギル・ゴールドステインの名は、パット・マルティーノ(g)とのデュオ・アルバムで御存知の方も多いのではないか。ビル・エヴァンス直系のシリアスなスタイルが印象的なピアノだが、近年は音楽プロデューサーとして多くのジャズ〜ブラジル系アルバムに関わっている。このアルバムの名義はゴールドステインとブラジルのギター奏者・ホメロ・ルボンバ。そこにもう一人、タイトル曲の作曲者でもあるトニーニョ・オルタ(g)参加しているのだから強力だ。全曲を通してアコースティック・ムード溢れる演奏が素晴らしい。中でも出色は冒頭の「My
foolish heart」。おそらくトニーニョであろうアレンジが、この曲のツボにはまっている。ジャズ・スタンダードとして有名なこの曲を、ボサノバで、こんなアレンジで演奏するなんて驚きだ。ジャケットを思わせる夢心地な感じは、まさに想定外だ。途中で聴かれるホメロ・ルボンバのアコースティック・ギターのソロは、相変わらず超人的。よくもまぁ之だけ細かい音符をリズムにはめ込めるものだと感心する。あまり知られていないアルバムだが、何かの雑誌で矢野顕子のヘヴィー・ローテーションになっていると知って、何となく嬉しかった。基本的にトニーニョのオリジナルが多いぶん、トニーニョ色を強く感じる。ギル・ゴールドステインが曲によってアコーディオンを使うなど、センスのいいサウンドに仕上がっている。を1993年録音。 |